起きて早々から、ポチへの空気を抜く処置をストップさせた5日目。
前日届けられたニンテンドーDSのお陰で、ナースに起こされるまですっかり熟睡していた。
今、サラッと書いてみたんだけど、『ナースに起こされる』ってなんだか良いフレーズ(笑)
実生活ではないからね。そっちの趣味がない限り。制服自体は嫌いではありませんが、自宅でするほど愛好家じゃないから。(笑)
さて、バカな話はともかく。
起こされた直後に地震です。三陸沖で起こった地震、ウチの辺りは震度2だったかな。普通に生活していて、自宅にいた頃なら間違いなく気付かないですね。こんな時間でしかもこの震度。この程度じゃ起きないね。
揺れが治まった後にふと思った。この病院ってかなり古いんですよ。元々は戦時中の陸軍病院として作られたものが前身だっていうんですから。まさかその頃からの建物って事はないでしょうが、壁の染み、亀裂からすると結構古そうだし。隔離病棟があったとか、例のアレを見たとかってウワサも近所では流れてるし。
そんな建物ですからデカイ地震が来たら一発で倒壊しちゃうんじゃないか?って不安がよぎっちゃったよ。
しかも連鎖って言うんですかねぇ。改めてこの建物が古いことを実感しちゃったら、その夜から窓の外見るのがちょっぴり怖くなっちゃうし。めっちゃいそうですからね、アレ。
15年ほど前にも、2週間ほど入院したことがあるんだけど、その時には夜中に霊安室がある地下まで階段で向かってみたりと、チャレンジ精神があったんだけどねぇ。その時に入院してたのは今回とは違ってとてもキレイな病院だったからね。今回はさすがに無理でした。シャレにならない事態が起こりそうですからねぇ。まぁ15年前は若気の至りってヤツだったのかも。
話が思いっきりそれちゃいました。
朝からナースの指示でポチへの脱気がストップ。24時間このままの状態で問題なければ、ポチとはサヨナラすることになる。だからってじっとしててもしょうがないから、まずは自力で洗髪。つづいて1階の売店にスポーツ紙を買いに。しかも階段使って。全然くるしくならなかったですね。ホッとしました。
そんなこんなで昼。主治医がやってきました。
前日調べたCTの結果。
「肺の表面に目立ったブラ(気泡)はないようです」
ということだった。ふ〜。・・・と、いうことはすぐに再発してしまう可能性はない訳です。
気泡が出来る原因が判明していないから、今後再発の可能性がゼロではないんだけど、いますぐって事はなくなった。良かったよ〜。あの痛いのをまたすぐやるって事だけはなくなったよ。ホッ。
しかも、現在つながってるポチに関しても、このまま順調なら明日取っちゃうことが決定した。
いよいよ退院も視野に入ってきた。主治医としてはポチを取ったらあとの抜糸は外来で大丈夫だからあと2〜3日で退院ってことに。具体的な日にちはまだ決定しなかった。賠償の話もその時には出なかったし。
そしてあっという間に時間が過ぎ、翌日。入院6日目。
昼過ぎに主治医がやってきた。レントゲン結果からもう管を抜いても大丈夫。穴もふさがったということで、いよいよポチとお別れの時がやって来た。
その上で、退院はいつがいいか聞かれたんで、はっきりと言っておいた。
「私はいつでも構わない。ただ色々話さなきゃいけないこともあるでしょうから、先生の時間がある曜日が良いんじゃないでしょうか」
すると主治医は、一応抜いた後もレントゲンを撮りたいから退院は金曜にしましょう、と言ってきた。
その上で、事務局や上の方と話し合いをしてもらうことになると思う、とのことだった。
分かります?
俺この時点で、『あ、主治医は話し合いには出席しないんだな』と気付いちゃいました。
実際出席しませんでしたし。もう現場レベルじゃなくなったってことでしょうか。
今までとトーンが変わることも予想されるから、万が一を考えて仕事用のテープレコーダーを持ってこさせること決めたのはこの時だった。
そんな話から30分後。
外れました!!この6日間ずーっと寄り添ってきたポチといよいよお別れしました。
麻酔の注射の痛さなんて、このあとのフリーダムな状態を考えたらなんでもないし。
初日のときにも書きましたが、この時に抜けた管をしっかり確認しました。内径5ミリ、直径7ミリのチューブが脇から10センチ強が入っていたみたい。あまりの痛さに俺はずっと金属が入ってるんだと思ってたんですが、さすがにそれじゃあ他の臓器にキズをつけちゃいますからね。直径がそれだけある物を肋骨の隙間から突っ込むもんだから当たる訳なんですねぇ。
それでもポチのことを気遣うことなくスッと立ち上がれるってウレシイねぇ。寝返りも打てるし。うつぶせも出来るし。いや〜自由自由!!
そ〜んな自由な俺のキモチを察してるんですねぇ。看護婦さんは。まっさきに注意されました。
「自由に動ける様になったからって、病院出てセブンイレブン行ったらダメですよ」
・・・・はい。そういうことしそうに見えたんでしょうねぇ。
さてさて、いよいよあの話です。
ポチが取れた翌日、昼過ぎに婦長がやってきて、
「夕方5時に話し合いを持ちたいと思います」
と言ってきた。退院は明日だからね。今日の内に済ませておくのはこちらとしても大賛成ですからオッケーしましたよ。そして5時少し前には奥さんも病室に到着。
定刻を少し過ぎて婦長が病室に迎えに来た。
例のミスを聞かされたあのカンファレンスルームにまた通された。
入ったらまず確認。誰がいる?あ、やっぱり主治医はいないんだねぇ。
左に事務局の人、真ん中に医局長、右に婦長が席に着いた。
向かい側に俺と奥さん。
俺の手にはメモ帳とテープレコーダー。
まだスイッチは入れていない。向こうの最初のトーン次第で断った上でスイッチを入れるつもりだった。
つまり間違いをどれくらいのレベルで認めるかという1点。そのトーンが主治医の口振りよりも下回ったらすぐに入れる気だった。当然こんなものを持ってること自体が相手にとってはプレッシャーになるだろうし。
口火を切ったのは医局長だった。まっさきにミスがあったことを認めて謝罪。頭を下げてきた。
この時点で半分はテレコの出番はないかなぁって感じ始めました。
ここで話の主導権が事務局に移った。
謝罪の気持ちとして、入院中に掛かった費用を全額負担したいというと言ってきた。
その金額は10万円弱。これがすべて。
う〜ん。微妙な金額だなぁ。ってのが正直な感想でした。
俺自身は入院費は全額自分で負担した上で、二桁万円の慰謝料をもらうっていうのを筋書きとして考えていたからね。それに関しては奥さんも似た様な感想だったみたい。
ただ、最初にも書いた通りごねるためにこの話し合いを始めた訳じゃなかったからね。
そして決定的だったのは入院中ののんびり生活だね。

↑こんな景色を毎日見てたからね。戦闘意欲が薄れちゃったんだよね。
結論的には病院側の申し出を受けることにしました。
入院費全額病院負担。ホントは慰謝料でパワーブック買えるか〜とか期待してたんだけどね。(笑)
やはり大学病院じゃないからですかねぇ。一種の公立病院ですから、その辺はシビアなのかも。
ちなみに俺がこの入院で使ったのは、
テレビカード2枚分 2000円
雑誌&コンビーフ&新聞代 1000円 以上。
人から見てどうなのか。微妙でしょうね。なんでもっとふんだくらないの?って人もいるでしょう。
奥さんも一晩寝て、もっとあれもこれも言ってやれば良かったって悔やんでたみたい。
でも俺はあんまりなかったんだよねぇ。妙にすっきり。結論出て良かったなぁってくらい。
きっと主治医の先生が人間的に嫌いになれなかったからだろうね。これが序盤にカチンと来ることがあったら間違いなくごねまくって入院費全額病院負担の上に慰謝料もふんだくってたかも。(笑)
ただ、一点。病院側に強く要望したのは、金銭的には受け入れるから、原因究明、病院内での当日から現在までの対策、上部機関への通報の具体的な話といったことをすべて書面で出してくれと伝えました。
今回このようなことがあったということを文書の形で残したかったというのが私の中にあったんです。
あっさり金銭で納得しちゃうより大きいなぁって考えたんですが、甘いですかねぇ。
その文書がいつ来るかはわかりませんが、それが納得出来るものだったら今回の件は終了になります。
もし、納得出来ないことがあれば、いつでも話をしに行く用意はあります。
地元の病院ですからねぇ。これからも安心して掛かるためにはしっかりとした善後策を立てられるところじゃないとね。
なんだか、長々と書きつづってしまいした。
ここまで読んでいただいた方、納得していただける結果だったかはわかりませんが、これが私の判断でした。
こんなに時間掛けて読んだのにすっきりしない、って思ってしまった方、ゴメンなさい。
また別の機会にすっきりしてもらえる様な事を書きますから、それで勘弁してください。
それでは。ありがとうございました。
もっとふんだくっても良かったかなぁ〜と言う感想もあるけど、やっぱ妥当なところかな!?
地元の病院で、これから先もお世話になる可能性大だしね。
それにしても、この文面↓ここ、ここ、
『内径5ミリ、直径7ミリのチューブが脇から10センチ強が入っていたみたい。あまりの痛さに俺はずっと金属が入ってるんだと思ってたんですが、さすがにそれじゃあ他の臓器にキズをつけちゃいますからね。直径がそれだけある物を肋骨の隙間から突っ込むもんだから当たる訳なんですねぇ。』
うぅ・・・い、い、痛すぎる、、、
肋骨の隙間って・・・
…..(o_ _)o パタッ
ただ主治医がその場に不在というのは釈然としませんね。これもプライドが高いという事でしょうか。
事後処理を書面に残す。これはその通りだと思います。
病院側には今回の事を教訓に、再発防止に努めてもらいたいです。
私なら3桁万円にのせちゃおうと思ってました^^
でも、書面できちんともらっておくって大事ですね。
再発しないように養生して下さいね。
先方の医師が、いの一番に非を認め、頭を下げてきたことが大きいですね。多分、その前にあーだこーだ言われたら、100万積まれてもNOと言ってのではないでしょうか?かにさんだったら。
何でも間違ったと思ったら、素直に非を認めることですね。勉強になりました。
かにさん、ご立派です。
私も入院中は、色々ありました。
・手術前、剃毛を看護婦詰所で行い皆様にお披露目
・手術室に向かう時、ストレッチャーまで歩かされお尻皆様にお披露目
・術後、背中の麻酔あと絆創膏を取り忘れ一週間放置、のちに化膿
・股間より採血(ほんと、大事なもの入ってる袋の付根です)するが、若い医者失敗し、ベテラン医師やり直し。(その間、20分程若い看護婦に患部指で押さえられてました。)カッコワル〜。
etc
一番ショックだったのは、手術後体重が1kgしか減らなかった事です。
看護婦どもに「あなたはダイエットは出来ません。」と笑われました。
以上、長々失礼しました。
この数日間が1年に感じるくらいの出来事に思えます。
また、病院への対応などは、さすが記者暦17年、相手の出方から対応準備は勉強になりました。
病院側も医療ミス対応のノウハウがあるのでしょうね。
私だったら入院中に
「医療ミスblog」
を立ち上げちゃいそうです^^
予想通りのリアクションありがとうございます。あの一文はAyigusさん向けに書いたと言っても過言ではありませんからねぇ(笑)
男の子二人も育ててたらこういう痛い話に強くなるのかと思ってたんですがねぇ。
あの場に主治医がいなかったのは、もう現場レベルの話じゃなくなってるから、とも考えられるんですけどね。あくまで好意的に考えればですが。
私も三桁欲しかったですよ。欲しいものはいっぱいありますから。ただあのときはとにかく戦闘意欲が萎えてましたからね。
まぁ書面を要求する方が相手にダメージ与えられるかなぁって思ったんですよねぇ。
さすがに星さんですね、まさにその通りなんですよ。
最初に言い訳から入っていたら、間違いなく今頃裁判準備でもしてたかもしれないですよ。
私も相手も人間ですから。心象ってのが大きいんですよね。
つよしさんの命名した『物言わぬポチ』は最高ですよ。あの言葉を聞いてからは水タンクが可愛く思えてきましたからね。
それにしても股間で採血はキツイ!ケツなんかいくら出してもいいから、この採血だけはイヤですねぇ。
そんなに誉めないでくださいよ(*^_^*)
とにかく万が一裁判になった場合になにが必要かを考えて作戦を立てたんですよ。
大金つかむために裁判も辞さないってことじゃなく、そこまでいかないのが理想でしたから。相手にプレッシャーを与えられただけでOKかな。これだけプレッシャー与えたら半端な報告書は出せないでしょうからね。大金も出してくれたらもっと良かったんですけど。
肋骨や内臓系の痛みは無理。
出産意外入院はしたことないですから・・・
今までの最高のケガは「突き指」
そんときゃ〜複雑骨折でもしたかと思うほど転げ回って泣きました(中2の頃)
それにしても、つよしさん、ナイス。
入院話、ウケました。
(≧∇≦)ノ彡 バンバン!
それにしても怖い話ですね。
こればかりは自分で注意していても防げるものではありませんから、こういったミスがなくなることを願うばかりです。
とりあえずの復帰おめでとうございます。
最高で突き指って・・・うらやましい。
Ayigusさんがなくても、あの次男君がきっと小学生の頃にとてつもない怪我でもしでかしてるじゃないかと思ったんですけどねぇ。
それにしても突き指で複雑骨折と思ってしまうとは。弱すぎですよ。
防げないですよねぇ。ちょっと疑問があったとしても、医学的知識がないと、違うんじゃないかって医者に言うことは出来ませんからね。
だからこそ医者には絶対的な安全性を追求して欲しいですよね。