県大会出場を決め、意気上がる指導者と選手達。
テンションは上がっているが、続く3回戦は午後1時から。
まずは早めの昼食を取り、それから軽く体を動かして試合に臨む事にした。
しかしこれが最初の失敗となってしまった。
普段なら試合前に食事を取るとしても、おにぎり1個にとどめるようきちんと指示していた。
ところがこの日は県大会を決めた勢い、書類を確認したりするなど、指示について指導者のほとんどが散漫になっていた。
我がチームは昼食はおにぎりと決まっている。個数、中の具については各自、各家庭に任されている。
選手達は高揚感を感じながら、ワイワイとおしゃべりに興じながらついついおにぎりをパクパクと食べてしまった。気付けばほとんどの選手が2個以上のおにぎりを食べていた。
この時初めて、「食べ過ぎてる選手がいる」と気付き、「あまり食べ過ぎるなよ」と声を掛けたが時すでに遅し。
体を動かすまでのしばしの時間。まったりと過ごしてしまう選手達。
中には眠気が襲ってくる選手まで出る始末。
緊張感がマックスに達した試合を終え、しっかり食事を取り、そのうえのんびりする時間まで。
選手の集中力はすっかり切れてしまった・・・。
そんな中始まった3回戦。
対戦相手は△◎市のチーム。県の中心でもあり、住民も多い。チーム数も多いので自然とレベルの高いチームが多い。その地区の代表ですから当然かなりのチームと予想される。
スポーツ少年団の大会では、一人の投手が1日で21アウトを取るのが上限とされている。
2回戦で完投しているまーぼは当然21アウトを取ってますからこの試合を投げる事は出来ない。
この試合で先発したのは時期エース候補のTM君。
球の力は抜群でまーぼに匹敵するものを持っている。しかしその力が安定しない。
1年前のまーぼがそうだったように、投げてみないと分からない。
そんな5年生エースのこの日のピッチングは悪い方に針が刺してしまった。
先頭打者をあっさりと四球で出してしまうと、続く2番打者は動揺を見透かしたかのようにセーフティーバント。さらに相手はダブルスチールを仕掛けてきた。
普段なら3盗はきっちり仕留める捕手のS君も慌ててしまい刺す事が出来ない。
すると3番打者にレフト前にタイムリーを打たれてしまう。
続く4番はショートゴロに抑えてようやく1個目のアウトを取ったが、続く5番にまたも四球。
そして1死満塁の場面でなんとスクイズ。ところが地に足が着いてないTM君はまたもエラー。
このあと7番打者を打ち取りようやく2アウト目を取ったが、その間にまたもランナーに生還され3点目を献上してしまった。
8番打者を打ち取りようやく初回の守りを終えたが結局3点を与えてしまった。
エースを出せないのは相手も同じ。取られたモノは取り返せば良い。
幸先良く先頭打者がライト前ヒットで出塁した。
ウチの自慢は足を使ったスピード野球。すかさず盗塁を仕掛けた。
しかしこれがアウトになってしまう。続く2番はピッチャーフライ。
3番はヒットで出たが、4番がサードゴロ。
ヒット2本を打ちながらも3塁にすらランナーを進める事が出来ない。
2回の守りは四球一つ出してしまったがヒットは打たれず4人で切って取る。
勢いをつけたい2回裏の攻撃だったが、内野安打のランナーを送りバントで2塁に進めるのが精一杯。
タイムリーは出ず、得点出来ずに終わってしまう。
攻めてはいるけどどうにもリズムが悪い。そんな中相手に追加点を取られてしまう。
3回表、4番の2ベースを皮切りに2失点。これで5点差。
この点差に少しずつ選手の集中力が切れていった。
その裏の攻撃も内野安打のランナーを進められずにあっさりチェンジ。
ピッチャーは前の回からTM君に変わってキャプテンS君が登っている。
本来彼のポジションは捕手。正捕手をスクランブル登板させる奇策はこの回破綻してしまった。
内野安打、四球、四球で満塁となって5番にホームラン。そのあとにも点を加えられてこの回5失点。
ランナーが溜まるまでもバッテリーエラー、内野手の送球ミスなどミスのオンパレード。
これで10点差をつけられて万事休す。
4回裏、5番打者が左中間に長打を打つがセカンドで憤死。
これでもう反撃の芽は完全経たれてしまった。
ここから試合終了まで5アウト。外野にボールを飛ばすことすらなくあっさりと攻撃終了。
0−10の5回コールドで敗れてしまった。
天国から地獄。
県大会出場を決めた喜びなど吹き飛んでしまい、帰途に就く車内はお通夜のようだった。
2試合目における投手力と集中力。県大会出場という財産と引き替えに大きな弱点を浮き彫りにしてしまった我がチーム。
県大会は10月中旬に始まる。修正期間は1ヶ月しかない。しかしその間にも他の大会が入っている。
不安が拭いきれない中、10月17日、ついに県大会が始まった。
2008年03月05日
この記事へのトラックバック
やはり指導者がキチンと釘を刺し、気を引き締めてかからないとダメだという事ですね。
小学生どころか、このときは大人だって気分が高揚しちゃってコントロール出来てなかったですからね。
それもこれも経験のなさですかね。今ならもうちょっとコントロール出来る自信があるんですけどね。なかなか生かす場がないです。