土曜日に高校野球部の慰労会がありました。
趣旨としては夏の大会を終え秋季大会に向かう選手、指導者の慰労。
もちろんメインはこの夏で引退した3年生選手、そしてその父兄の慰労となります。
全選手、そしてその父兄が集まったって80人そこそこの小所帯ですが、それはそれで楽しくアットホームな会となりました。
その会の中で3年生から一言ずつ挨拶があったんですが、その中の1人の挨拶に私はすごく心が動かされました。
その選手はこの夏の大会、スタメンで出場していなかった選手でした。
彼は運動がそれほど得意ではなく、入学当時は何をやらせても一番最後。
監督も「長続きはしないだろう」と思い、すぐに選手登録をしなかったほどだったそうです。
しかし彼は最後までやり抜き、この慰労会の時を迎えたんです。
そして彼はこんな挨拶をしました。
「僕は何をやっても一番下手で、後から入ってくる下級生に手本を示すどころか、下級生から教えてもらったりすることもありました。
でもこの席でたった一つだけ、後輩に教えてあげられる事があります。
それは高校野球はどんな選手でも引退出来ると言う事です。
辞める時期を自分で決める事が出来るんです。どんな選手でも引退となるその時まで続ける事が出来るんです。
皆さんもぜひ引退の時まで高校野球を続けて下さい。」
ウチの野球部は決して強くありません。でも練習は決して生易しくありません。
それが故に「練習についていけない」「勉強を優先したい」などと色々な理由で辞めていく部員がいます。
しかし彼はやり抜いた。
辞めていった選手の中には、彼よりずっと才能がある子もいたでしょう。
でも彼のそれらの子達は彼の「やり抜く」才能には勝てなかったんです。
どんな理由があれど、やり抜いた彼は勝者です。
例え素晴らしい成績を残せなかったとしても、彼は立派な我が野球部のOBです。
現在1年生部員は13人。入部当初に3人辞めて以来、退部した人間はいません。
これから秋季大会で出番がなかったり、冬場のトレーニングのキツさなどで挫折しそうになる選手も出るかも知れない。
しかしそんな時こそ、彼の「やり抜く」という彼の精神をしっかりと受け継いで欲しいと思います。