2006年07月10日

歓喜の胴上げ

昨日、エントリした通り、関東連盟夏季大会の敗者復活戦で勝利を収めることが出来ました。
これで8月2日から始まる日本選手権大会に出場出来ることになりました。

お祝いのお言葉を下さいました、

metooさん、さとるさん、Fastballerさん、baseball-oyajiさん、
でぃあさん、プーミーさん、Ayigusさん、K太父さん
ドラ夫さん、星さん、背番27さん、ゆうちろさん、四十肩コーチさん

改めましてありがとうございました。

このような形でのお返事で失礼します。時間が出来次第、改めて個別に返事をさせて頂きます。


土曜日の敗者復活戦の1戦目。
過去練習試合を行ったことがあるチームで、その時は3戦3勝だったそうです。
そのおごりがあったとは思いませんが、小さな小さな油断があったのかも知れません。
しかし終わってみれば、勝ちたいという意識がウチよりも相手の方が勝っていたと実感せざるを得ませんでした。

前日の金曜。以前の経験からエースは左腕投手であるということで、左を想定したバッティング練習を入念に行いました。
マシン相手ではありますが、かなり良い当たりを飛ばしていました。

ところがフタを開けてみたら先発は右投手。しかもスリークォーターとサイドスローを使い分ける、右バッターにとっては非常に打ちにくいピッチャー。
実際、変則投法のため、ボールの上を叩いてボテボテになったり、下を叩いてポップフライになったりと、良いようにあしらわれてしまっていた。

それでも何度かチャンスを作りましたが、あと一本が出ず。
結局1対2で敗戦。あれほど強打を誇っていた我がチームが、この2戦でわずか1得点。
なによりどちらの試合も各バッターが自分のスイングをしないままで終わってしまっていた。

この試合後、総監督から1、2年生を除く3年生全員に対し、こんな言葉があったそうです。

「もし君たちが本当に勝とうという意識がないのならば、明日の試合は1年生投手を出し、経験を積ませるようにする。それでも良いのか、どうか、自分たちで考えて答えを出せ」

ベンチからの指示の狙い球には手を出さず、追い込まれて難しい球に手を出し続けての凡退に、総監督も今のままでは次の試合も勝てないと考えて荒療治に掛かったんだと思います。実際私から見ても打撃が消極的に見えました。

総監督からそう言われた3年生達は、キャプテンを中心に30分以上話し合いを行いました。
途中、レギュラーと控えの立場の違いから来るジレンマで言い争いにもなったそうです。
キャプテンを始め、中心選手の何人もが頭を抱えて泣き崩れていました。
まだ1チャンスあるにもかかわらず、もうすべてのチャンスがなくなってしまったかのように泣き崩れていたんです。
遠目から見ていた私も胸が締め付けられるほどでした。
しばらくしたあと度話し合いは始まりました。私は選手達から離れていたから、その時どんな会話がなされていたのか分かりません。

一つの答えを出し、それを総監督に伝えに行きました。
総監督は3年生達が来るのを食事もせずに待っていたそうです。

そこで改めて明日の試合は全員の力で勝ちに行く、ということを確認したそうです。

昼食後、練習を開始した3年生はいつも通りの笑顔でグランドに立っていました。
これならやれる。そう思えました。

そして昨日。
試合前のシートノックが始まりました。

この代を1年間見てきて、一番集中して、一番声を出して、一番体を張ったシートノックでした。
昨日の選手達は違う。応援の父兄もその雰囲気をすぐに察知しました。

いつもならいすに座って応援する人が何人もいるけど、今日はゼロ。
全員が立って、メガホンを持って大声を張り上げました。

そして始まった試合。この日の相手は静岡のチーム。前日、武◎府中に敗れて今日の敗者復活戦に回ってきている。
初回、マウンドにはいつものエースではなく、ここ数試合リリーフで好投しているA君の姿が。
この大会、未だ1失点しかしていない彼の投球に託す決断をしたのでしょう。
ところがいきなり相手に1点を先制されてしまう。何とかその回を1点でしのいだが、応援席には何とも言えない思い空気が漂っていた。なにせここ2試合点が取れなくて苦しんでいたから。

しかしそんな不安はすぐに選手達が払拭してくれた。
春季大会からずっと固定だった打順を組み替えていた。
昨日の先頭バッターはキャプテン。今までは5番か6番を打っていた。今大会中、一時期スランプに陥っていたが、ここに来て本来の強い当たりが復活してきていた。その辺を買っての1番起用なのだろう。
そしてその起用にキャプテンはいきなり答えた。きれいなセンター前ヒットで攻撃の口火を作る。
先頭バッターさえ出塁すればあとはウチの形。いつもの足を絡めた怒濤の攻撃で3点を上げた。

3回にも同じく長短打を集めて2点を奪って4点差に広げた。

このまますんなり終わってくれればという甘い願いは通じるわけもなく、5回最大のピンチが訪れた。
2アウトながら1、2塁。打席には2番打者。ここで切らないとランナーを貯めた形で中軸に回ってしまう。
と、2番バッターのライト前ヒットが飛び出してしまう。ライトはゴロをさばくと果敢にライトゴロを狙いに行く。
しかしこの球がわずかにそれてファーストが後逸してしまう。
ボールは1塁側ベンチ前を転々としている。あわててキャッチャーが取りに走る。

あぁ、これで1点はしょうがない。そう思った時、驚くべき事が起こった。
2塁ランナーはムリだと判断して突っ込まなかったが、1塁ランナーは行けると思ったようで3塁寸前まで走って来ていたのだ。
それに気付いたキャッチャーがボールを回す。ランダムプレーで3塁ランナーを挟み、タッチアウト。
思わぬ形でピンチを切り抜けることが出来た。
これでベンチも応援席もがぜんムードが良くなる。

終盤のこういうプレーが両チームにとってどう影響するかはみんな分かっている。
6回に中軸に1点を奪われたが、その後をピシッと締めて残すは最終回の守りだけとなった。

ベンチの選手はもういけいけ状態。かたや応援席は母親はすでに半泣き、お父さん達も声がかすれてしまっている。
それでも声を張り上げて盛り上げている。

先頭打者、これに出られるとイヤなムードになってしまうが、相手は下位打線一発長打の心配はない。


大きなフライが上がったがレフトが楽々追いついてまず1アウト。


続くバッターも内野フライで2アウト。



いよいよ、アウトカウントはあと一つ。



その2球目。




力ない打球がピッチャー前に転がった。




ピッチャーが落ち着いてボールをつかむと、ファーストへスロー。





「アウト!!」




審判のコールが聞こえないほどの歓声に包まれたグランド。


応援席ではお母さん同士が泣きながら抱き合っている。

お父さん達も目に涙を浮かべて握手をしている。

私もその歓喜の渦の中で騒ぎまくってました。

そして監督の胴上げ。

コーチ、会長、事務局と次々と選手の手で中に舞っていきます。


そして最後はやっぱり総監督。


「俺はもっと先で胴上げして欲しい」


という声を上げていましたが、選手達はやはり総監督を胴上げしなければ収まらなかったでしょう。


宙を舞う総監督の顔はやっぱり満面の笑みでした。

douage.jpg
(写真は監督です)


実は今日、ウチのグラウンドでは2試合行われていました。

第一試合、羽村対平塚、も同じく敗者復活戦でした。
この試合は最終回に大逆転をした私の郷里、平塚が全国への13番目の切符を掴んでいたのです。

そしてそのあとに行われた我がチームの試合。

そして掴んだ切符。そう、14番目の切符でした。最後の最後。残り一枚の切符だったんです。


ある父兄が言いました。


「先週、遠征の竜ヶ崎戦で勝って切符を掴んでいても、こんな感動はなかったかもしれないね」


まさにその通りだと思いました。

最後の最後、ギリギリまで追いつめられた状態で、ホームの大応援団の前で掴んだ切符だからこそここまでの感動があったのでしょう。


しかし、喜びに浸るのは今日まで。

また明日から、今度は全国の強豪と戦うためにさらに鍛え上げなければいけないのです。

昨日の試合をやってみて、気持ちで勝つと言うことがどれだけ重要か実感出来たでしょうから、きっと彼らはやってくれると思います。

日本選手権大会。響きだけで私なんかはビビッてしまいます。

しかし選手達はいつも通りのプレーをしてくれるでしょう。

楽しい3年生の父兄との付き合いももう少し伸びました。

世代交代はもう目の前まで来ていますが、もう少しだけともにに楽しみたいと思います。


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posted by かに at 12:08| 埼玉 ☁| Comment(16) | TrackBack(0) | 中学硬式野球 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする